火力発電のわからなかった用語
ブローする
ボイラ内の水を外部に排出すること。
汽水ドラムがある自然循環ボイラでは、不純物を濃縮して外部に排出する(ブローする)。貫流ボイラではブローできないので厳重な水質管理が必要。
オイルホイップ
"オイルホイップとは,ロータを静止側から支持する軸受(すべり軸受)の油膜の作用により発生する軸系の自励振動である."
https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/images/journal58/RJ58-02.PDF
(自励振動については後述)
タービンの振動の一つで、過大な振動は軸受の損傷を起こすおそれがあるため防止しなければならない。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tsj1973/3/1/3_1_520/_pdf
ちょっと古い資料だが、オイルホイップは
- 多くの場合、危険速度の2倍の速度で起こりはじめる
- 一度起こると、それ以上回転速度を上げても止まらない
- 条件によっては、危険速度の2倍以上の速度ではじめてオイルホイップが起こることがある。この場合、回転速度を下げるとき危険速度の2倍まではオイルホイップが持続する
などの特徴があるようだ。
防止法として
- 円形軸受の場合、偏心率を大きくする(軸受面積とくに軸受長さを減らす、油の粘性係数を下げる、軸受すきまを増やす)
- 非円形軸受を用いる
などがあるようだ。
正直、"油膜の作用"と言われても全然ピンし上記の資料見てもわからない…特徴だけ抑えて、あとは宿題事項…学生時代「振動・波動」みたいな講義取らなかったからなのかな~
自励振動
振動的ではない外力による振動
http://dynamic1.me.tokushima-u.ac.jp/staff/hino/kirikitk/selfex.pdf
大学物理では外力が振動の場合(強制振動)しかやってない…と思って教科書見返したら、負性抵抗の場合のファン・デル・ポール振動子について書いてあった。振幅が時間とともに増大していくことになる。
東京図書株式会社 基幹講座 物理学 力学←これに載ってた。発展的内容だけど。
クリープ破断
クリープ(creep):忍び寄る、<工学>変形する
creepの意味・使い方・読み方|英辞郎 on the WEB
"高温下において、物体に一定の荷重(応力)を加えることで、時間とともに物体が変形していく現象のこと"
”材料を高温で一定荷重(応力)の状態に保ち続けると、時間とともに塑性変形が進行し、最終的に破断破壊に至ります。この変形をクリープ変形といい、クリープ変形の進行で破断することをクリープ破壊といいます。金属材料では融点(絶対温度K)の1/2を超えるとクリープが発生します。従って、鋼材のボルトではおよそ600℃以上の使用温度環境ではクリープ破壊の懸念があります。例えば、火力発電設備分野の部材ではクリープ変形と破壊が寿命を支配することになります。”
クリープ破壊 | ねじ締結技術ナビ | クリープ破壊のメカニズム、破面の様子、事例と対策
超合金
"高温に対する並外れた強度と耐酸化性を持つ合金"
ニッケル含有材料 ー 特性:高ニッケル合金と超合金 | 製品・技術情報 | ニッケル協会 東京事務所
耐熱性でいえば、ステンレスは約700℃だが超合金は約1,120℃
コラム「超合金」 | 材料のチカラ | NIMS(物質・材料研究機構)
鉄、ニッケル、コバルトをベースとしている。耐熱性が高いので、コンバインドサイクル発電のガスタービンのタービン翼などに用いられる。
感想
- 非機械系、非材料系にとってはとっつきにくいところだと思った(筆者は電気系)
- その都度でいいから、もっと語彙を増やす必要がある。
特定送配電事業者と送電事業者の違い
特定送配電事業者
"特定送配電事業 自らが維持し、及び運用する送電用及び配電用の電気工作物により特定の供給地点において小売供給又は小売電気事業、一般送配電事業若しくは配電事業を営む他の者にその小売電気事業、一般送配電事業若しくは配電事業の用に供するための電気に係る託送供給を行う事業(発電事業に該当する部分を除く。)をいう。"
送電事業者
"送電事業者 送電事業を営むことについて第二十七条の四の許可を受けた者をいう。"
ここで第27条というのは、問題があった場合に経済産業大臣がその改善として命令を下すことができること。
つまり
「特定送配電事業者」は「送電」と「配電」をやる。
「送電事業者」は「送電」をやる。
じゃあ送電と配電の違いって?
電気事業法施行規則第2条 により
送電線:"発電所相互間、蓄電所相互間、変電所相互間、発電所と蓄電所との間、発電所と変電所との間又は蓄電所と変電所との間の電線路(以下略)"
配電線:"発電所、蓄電所、変電所若しくは送電線路と需要設備との間又は需要設備相互間の電線路(以下略)"
街中にある電柱は、変電所から需要設備(一般の家庭や商店、工場など)を電気的に接続しているから「配電(線)」
そうじゃなくて、火力発電所などから変電所へ繋がってるのが「送電(線)」
具体的な会社
共に経産省のページに載ってる。
特定送配電事業者の一つである六本木エネルギーサービスは六本木ヒルズに電気を供給しているらしい。というか六本木ヒルズって居住部があるつまり人住んでるのか…(世間知らず)
送電事業者は全国で3社しかない。
感想
- 一般送配電事業者(旧大手電力の子会社)と競い合うこと(送電線を建てあい託送料金の低減で勝負する)とかってないのかなと思った。まあ街中の鉄塔や電線が2倍3倍になったら嫌ですが…
- 大規模な工場だと、変電所から直接工場内に電気を引き込んでるので、これ配電(線)と送電(線)のどっちなんだろう。まあ引き込むといっても工場内の受電所に接続するので、その受電所が変電所扱いになる(たいていの受電所は変圧器がある)ので送電(線)なのかな。
線分がつくる電界がCoulombの法則とGaussの法則で一致しているかどうか
図1のように、z軸に並行な有限な長さを持つ線分がある。
この線分から距離 [m]だけ離れた場所を点Pとする。
この線分が [C/m]の電荷密度を持つ時、点Pがつくる電界を求める。
1. Coulombの法則を使って求める方法
図2ように、線分中のがつくる電界をとする。のうち、z方向の電界を、線分と直交する電界をとする。
便宜上、点Pからz軸に垂線を引き、交差した場所をとする。
Coulombの法則より
・・・(1.1)
ここで、図の角度を用いて
これより
また
: →
: →
よって(1.1)は
これは点Pがz=0のところにある時、つまりのとき、となりとなる。
また、線分の長さが無限大のとき、つまりのときとなりとなる。
同様に
線分の長さが無限大のとき、つまりのときとなりとなる。
2. Gaussの法則を使って求める方法
直線に対して図4のような円筒形の閉曲面を考える。
Gaussの法則より
微小面積の単位ベクトルと平行な電界はz軸に垂直のものしかないため
また
より
・・・(1.2)
となる。
3. 結果
Gaussの法則で求めた式(1.2)は、Coulombの法則で線分の長さが無限大としたときの結果と一致する。